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通常の中古物件への投資とリノベーション投資の違いって何?

不動産投資を始めるには投資目的にあった不動産を探すことからスタートします。そしてシミュレーションを重ね、綿密な投資プランを作り上げる。これは大切なプロセスです。

このプロセスでは「空室リスク」を考慮しなければなりません。

もともと借り手が入居中の投資物件であればいいのですが、空室物件を購入し一から投資をスタートするとなれば、いかに早く入居者を決め、いかに空室率を下げるかがポイントです。

そのためには投資物件にどのように、そしてどこまで「手を加えるか」を考えることも必要となってきます。新築物件であれば頭を悩ますこともないのですが、中古物件の場合は手を加える作業に知恵と費用を準備しなければなりません。

「最低限の手の加え方をして貸し出す」という人や「しっかり手を加えて貸し出す」という人もいます。

投資方法は様々ですが、最低限の手入れをした通常の中古物件への投資と、しっかりと手入れをした投資では空室率に若干の違いが生まれます。これから投資を始める方であればその違いを理解しておく必要があるでしょう。

1.   中古物件はそのままだと借り手が付きにくい?


不動産投資の目的は「賃貸物件として入居者を募集し家賃収入という利益を得る」ことです。投資にかかるコストを抑え投資効率を上げることは誰しもが考えることでしょう。しかしこれは投資家サイドの話です。

投資家としての立場ではなく借り手の立場に立って考えてみると、部屋探しのゴールは「自分の条件にあった物件を借りる」ことになります。入居の際に重視されるのは部屋の間取り、家賃、立地・・・様々です。そして築年数も重視される方が多いという事実も見逃せません。不動産会社が運営する部屋探しサイトにある条件チェック欄は「全て借り手の希望条件」と考えるべきです。

中でも「築年数」は最優先される条件です。借り手は新築や築浅物件を希望する傾向にあり、築年数を確認しただけで入居物件候補から外されてしまうこともよくあります。この点から考えると中古物件は古くなればなるほど入居者が決まりづらくなると言えるでしょう。借り手の条件が「新築・築浅物件は賃料が高いから多少古い物件でも」であっても「どうせなら少しでも築浅の物件に入居したい」と希望されます。

さらに希望の間取り・賃料帯物件であっても、内見時に感じる部屋に入った瞬間の第一印象で「他の物件を探します」となってしまうことを多いものです。私が不動産会社の営業マンとして賃貸物件の客づけをしていた頃、この言葉を嫌という程聞いてきました。

なぜこのようなことが起きてしまうのか?

それはその部屋が醸し出す「雰囲気」なのです。

雰囲気というと極めて感覚的な要素ですが、これを軽視してはいけません。物件資料に記載された間取り図や諸条件ではわからない部屋の雰囲気によって借り手はその部屋を借りるか借りないかを決定することを理解しておくべきなのです。

借りられない雰囲気は中古物件によく見受けられます。

投資用に購入した物件が綺麗にリフォームされた状態で引き渡されたとしても、ある程度築年数が経った物件の場合、どれも似通った間取りで特徴がなく建具や設備にはどうしても古さを感じてしまい、結果「綺麗なだけでは入居者は決まりづらい」ということになってしまうのです。

中古物件を購入したそのままの状態で投資をすると、借り手側が入居を決める要素は立地と賃料にウエイトが置かれます。立地が良ければ中古物件でも借り手に困ることは少なくなりますが、どの物件も好立地に建っているはずがありません。

はっきりいいますと中古物件を購入してメンテナンスもせずにそのまま貸し出しても、借り手は付きません立地条件が悪ければ賃料設定は低くなります。投資をする上での「悪循環」を生み出すだけです。

これを防ぐため多くの不動産投資家は購入後にクロスを張り替えたり、建具を変えたり、水回りを綺麗にしたりと、部屋の印象、雰囲気を良くするため、そして物件の価値を高めるためのリフォームやリノベーションといった方法を活用しているのです。

2. リフォームとリノベーションはどう違うの?


部屋の雰囲気や価値を高めるための「リノベーション」という方法は15年ほど前から普及してきました。

それまでは「リフォーム」という方法で物件の価値を「維持する」のが主流でした。リフォームとリノベーションはともに「住宅に手を加える」という意味では同じですが、厳密には手を加える目的によって区別する必要があります。特に「不動産投資」においては全く別物と考えなければなりません。

●リフォーム

リフォームは「古くなった物件の性能を維持する」「建築当時の性能に戻す」というもので「新築時の性能と同じもしくはそれに近い状態にする」工事です。汚れたクロスを張り替える、古くなった畳を交換・表替えする、建具を補修する、キッチンを新しいものに交換する、といった現状の機能を維持する比較的小規模な工事がこれに当たります。入居者退去後の室内クリーニング、傷の補修といった原状回復もリフォームの類です。

●リノベーション

リノベーションは部屋の現状維持に止まらず「住宅機能や用途を向上させる」「建築当時の性能を刷新して価値を高める」というもので「新築時以上の性能にする」工事です。2DKの間取りを1LDKに変える、デザイン性の高い居室空間に改良する、配管設備や換気設備を新しくする、といった大規模工事を伴う補修・改修がこれに当たります。

そもそもこの言葉自体の使い分けに明確な定義はないのですが、投資目的で不動産を購入する方にとってはリフォームなのかリノベーションなのか、どちらの方法で物件価値を高めるかは購入当初の資金計画に深く関わってきますので、上記の意味合いではっきりと区別した方がいいでしょう。

3. 中古物件はリノベーションとリフォームとどっちがお得?


中古物件投資にとって「手を加える」ことの重要性は理解していただいたと思います。では物件価値を上げて借り手が喜ぶ手の加え方は「リノベーション」と「リフォーム」のどちらがいいのでしょうか?この選択には色々な考え方があるため「どちらがいいのか」という議論は尽きませんが、一般論をお話ししていきます。

先ほどリフォーム=小規模、リノベーション=大規模と述べましたが、この言葉からリノベーションの方がコストがかかることはお分かりでしょう。つまりリノベーションの方が初期投資費用がかかるため、投資効率を下げる要素となります。

初期投資費用を抑えるためリフォームで済ませるという考え方もできますが、問題はその後の空室率です。費用をかけずに投資を始めても結果として賃料設定も低くしなければ借り手が付かないというのでは投資する意味が薄れます。そう考えると多少コストはかかっても物件価値を高め、賃料設定も高めの状態を維持するリノベーションも考えた方がいいでしょう。

ただし、初期投資費用は必要最低限であるべきです。「この賃料で借り手を付けるには物件にどんな手入れをすべきか」を考えてリフォームかリノベーションかを選択しなければいけません。

通常は「築10年以内の築浅物件」=リフォーム、「築20年超物件」=リノベーションと考えられています。リフォームのメリットは初期投資費用が安いことと工事期間が短いことです。リノベーションのメリットは物件価値を高められ、かつデザイン性の高い間取りが自由に作れることです。

逆にリフォームのデメリットはさらなる物件価値を生み出せない点とオリジナル性が出ない点、リノベーションのデメリットは初期投資費用が高く工事期間が長くなる点です。

このようにそれぞれにメリット・デメリットがありますので、そもそもの投資目的がなんであるか、周辺の賃料相場や空室率の低い物件の諸条件を確認しながら選択をしていきましょう。

4. まとめ 


中古物件に限らず不動産投資は「借り手がいる」ことが絶対条件です。借り手が希望する条件でなければなかなか空室は埋まりません。それが賃料であるのか間取りであるのかは限定できませんが、借り手の立場に立って投資をすることは「失敗しない投資」への近道であることは間違いありません。中古物件への投資を考えるときには借り手のニーズをくみ取り、必要に応じてリフォームやリノベーションを行い、物件価値の維持・向上に努めましょう。