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団地リノベーションの注意点

(写真=PIXTA)

古くなった団地をリノベーションやリフォーム目的で買う人が増えています。シンプルで古い建物に、リノベーションで自分好みの新しい価値を与えられることに大きな魅力があります。また、ストックが豊富なうえにコストが手頃であることも人気の一因です。

リノベーション技法がどんどん進化していくなか、数々の難易度の高いリノベ―ション例もあります。しかし、古い団地ならではの注意点があることを知っておきましょう。

集合住宅のリノベーション

団地に限らず、集合住宅のリノベーションにはさまざまな制限があります。リノベーションは専有部分だけに限られ、共有部分に触れることはできません。共有部分は玄関ドアおよびベランダに出るサッシ部分からとなります。つまり、玄関ドアの交換やサッシの交換、窓の交換などもできません。

また、構造上や工事音の関係から、専有部分であっても管理規約で工事が制限されている場合もあります。床をフローリングに変更したり、コンクリート部分を削ったりする工事などは、管理組合への確認が必要であり、できないケースも多々あります。

団地ならではのリノベをする際の注意点

では、古い団地特有の注意点にはどのようなものがあるのでしょうか。

● 壁式構造
昭和40年代に建てられた低層5階建てまでの建物は、大半が壁式構造となっています。これは構造耐力といって、コンクリートの壁で建物を支える仕組みです。いわば壁が柱代わりになっているようなものですから、部屋と部屋の壁を撤去することができません。そのため間取りの変更が難しくなっています。

● 床下空間
スラブと呼ばれるコンクリートの床に直接カーペットや畳が敷かれていたり、天井のコンクリート面に直接塗装してあったりします。そうなると、床下空間がないため床材を使ってリノベーションをする場合、床の高さが上がることになります。結果として、天井が低くなってしまいます。

● 配管
床下空間がないということは、床下に配管のスペースがなく、コンクリート床の中に給水管、配水管、ガス管などを埋め込んでいる場合があります。コンクリートを削ることが管理規約で禁止されている場合、配管を通し直すことができなくなります。

● 浴室
古い団地のほとんどが、タイル貼りの従来工法の浴室です。また居室と浴室の間の壁が構造壁である場合もあり、壁の撤去や配水管の接続ができないため、ユニットバスの設置が難しくなります。また、タイルだけでも新しく張り替えようと思っても、防水が劣化している可能性があります。再度防水処理をするなどの注意が必要です。

● エレベーターがない
5階建て程度の古い低層団地ではエレベーターがない場合がほとんどです。エレベーターがないということは、リノベーションに用いる素材や設備を階段で運んだり、クレーンで窓から運搬したりすることになるため、その分費用がかかります。

生まれ変わった団地の実例

古い団地のリノベーションでは、通常の集合住宅よりもさらに制約が多く、難易度が高くなります。それでも工夫次第で新しく生まれ変わった実例が多くあります。

たとえば、無印良品とUR都市機構がコラボして、昔ながらの団地をおしゃれで現代風にリノベーションし、賃貸するMUJI×UR団地リノベーションプロジェクトを実施しています。そのプロジェクトを見るだけでもさまざまなアイデアがあることがわかります。

間取りの変更が難しい団地でも、押入れの一部を開放することで、リビングダイニング全体に通気、通光が施されています。さらにダイニングとキッチンの間は壁ではなくふすまを設置しています。ふすまを開ければ広々としたオープンキッチン、ふすまを閉めれば不意のお客様が来たときなどに寝室として利用することも可能です。

また、水回りなどの配管の移動が難しい団地ですが、キッチンを壁付けから対面に変えると同時に、窓際に室内干しができるユーティリティ(家事室)を設置した実例もあります。対面キッチンで広々とした空間をつくりながら家事効率が高まる一例です。

団地リノベーションで快適・安心な生活を

昔からある団地は立地条件もよく、緑豊かな環境にあることがほとんどです。築何十年も経っていると劣化が激しいイメージがありますが、何十年も前から今に残る低階層の頑丈な造りの団地は地震に強い建物だといえます。難易度の高い団地リノベ―ションですが、プロに相談しながら創意や工夫を凝らした快適・安心な暮らしを手に入れましょう。

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