リノベーションに活用できるローンとは
不動産投資やリノベーションには大きな初期費用がかかるため、物件やリノベーションの方向性について考えると同時に、利用するローンについても十分に検討しなければなりません。融資の手続きがスムーズに行われなければ、計画全てが頓挫してしまうため、時間に余裕をもったプランが必要となります。
今回は、リノベーションを行う際に活用できるローンの種類や、契約のポイントなどについて紹介します。
不動産投資の成否を決めるローン
不動産投資はたとえ満足のいく物件が見つかったとしても、ローンを組むことができなければ資金が足りず、投資を始めることができません。ローンを利用することができれば、少ない資産で投資を行うことができ、レバレッジをきかせることができるため、費用に対して高い投資効率を実現することが可能です。
一般的に不動産に関するローンは、住宅ローンと不動産投資ローンがあり、不動産投資では住宅ローンを利用することができません。また、不動産投資ローンは稼ぐために利用するローンなので、審査基準や金利が厳しく設定される傾向にあります。
主な審査項目は以下の通りです。
- 物件の収益性
- 物件の資産価値
- 借入人の状況
金融機関は、事業の成功につながる物件なのか収益性について評価し、もしローンの返済が滞った場合には売却して返済してもらうため、物件の資産価値や借入人の収入や資産状況についても事前に確認します。
利用できるローンの種類
リノベーションに利用できるローンは選択肢が非常に広く、リノベーション費用全般にはリフォームローンを利用することができます。ただし、リフォームローンは使い道が増改築や機能の改良などに限定されているものが多く、中古住宅の購入資金に充てることができません。
そこで、中古住宅の購入とリノベーションの両方にローンを組みたい場合は、住宅ローンの利用が考えられます。住宅ローンの多くはリフォームやリノベーションまで融資対象にしているため、別々にローンを組むより合理的といえます。
ただし、実際には費用の支払い時期が、中古住宅の購入時、リフォーム着工時、リフォーム終了時とバラバラになる可能性が高いため、リフォーム工事については別にローンを組む人も少なくありません。また、リフォームローンや住宅ローン以外には以下のような選択肢が考えられます。
- 財形住宅融資
- フラット35
財形住宅融資は勤務先で財形貯蓄を行っている方が対象となる公的ローンです。フラット35は住宅金融支援機構と民間金融機関が共同で提供している住宅ローンでリノベーション費用に利用することはできません。
ローン契約のポイント
融資を受ける際は頭金の金額が1つのポイントとなります。多ければ融資に通りやすいですが、手元のお金を減らしてしまうと不測の事態へ対応することができなくなるため、余裕を持った資金計画が必要となります。
金利に関しては、変動金利を選ぶ場合、金利の上昇による支払い金額への影響を事前に十分確認しておきましょう。
また、中古物件の購入とリノベーションを別の会社で行った場合、支払時期が重なって支払金額が大きく想定以上に大きくなってしまう可能性があります。支払期日をうまくずらすか、リノベーションまで対応してくれる業者に任せることを意識しておきましょう。
さらに、中古住宅は新築住宅と比べると購入の検討や融資の手続きに費やせる期間は短いため、物件の検討、リノベーションのプランニング、融資の手続きなどを平行して行う必要があります。条件のよい中古物件はすぐに次の買い手が現れることが考えられるため、スムーズに手続きを進めるためにも、金融機関と融資の流れや支払期日についての入念な相談が必要といえるでしょう。
リノベーションに使えるローンは多数ある
リノベーション費用だけでは、それほど大きい金額にはならず自己資金で対応することもできますが、中古物件まで購入するとなると、ローンを組まなければならない人が多いかと思われます。銀行や公的ローンだけではなく、ノンバンクのローン会社も含めれば非常に多くの選択肢があるので、ローンを契約するときは、金利に関する条件だけではなく、期日や手続きの流れについてもよく相談しながら選ぶことをおすすめします。