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リノベーション時の注意点

リノベーション時の注意点

中古物件や空き家の数が増加している現状では、中古物件を購入してリノベーションを行い、住居もしくは投資用の賃貸として利用する人が少なくありません。しかし、リノベーションを成功させようと思うと、購入前にさまざまな事を確認しておかなければなりません。中古物件購入時のリスクやリノベーションで特に重要なポイントについて紹介します。

築古物件のリスク

リノベーションは安値の中古物件の価値を高めるために行うので、どうしても物件は築古のものが多くなります。そして、築古物件を購入するリスクとして、品質確保の修繕などが現在の基準と比べると積極的に行われていなかったということがあげられます。

2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」により、それ以後の不動産物件は売り主に10年の保証が義務づけられることになりましたが、それ以前に建てられた中古物件は保証期間2年とされていたものが多く、ずさんな修繕計画のもとで運営されていました。

また、国土交通省が公表している「マンションの改修・建替え等について」によると、マンションの場合には12年程度を目安に大規模修繕を行う必要があるとされ、その費用として修繕積立金を定期的に徴収している場合が多いです。

しかし、中古物件では経営者の破綻や管理組合が正常に機能していない可能性があり、たとえ修繕計画が立てられていたとしても、積立金が大きく未払いとなっているケースもあります。

これらの理由により、中古物件は購入後に大規模修繕の必要があり、想定外の費用がかかる可能性がある点には注意しなければなりません。

耐震性について

築古物件はずさんに管理されていた場合も少なくありませんが、そのほか、現在より低い耐震性基準で建築された可能性も考慮しておかなければなりません。

1981年に、それまでの建築基準法施行令が見直され、新耐震設計法の導入などが行われました。そのため、1981年以前に立てられた旧耐震基準の建物は、地震によるリスクが高く、以下のような制度を利用することができないというデメリットも存在します。

  • 住宅ローン控除
  • 贈与税の非課税制度
  • 不動産に関する税制優遇

個人が住宅ローンを利用して中古住宅を取得した場合、借入残金の一部は所得税額から控除される制度がありますが、新耐震基準の物件でなければ利用することができません。また、直系尊属からの贈与のうち、住宅取得のためであれば、住宅の種類や契約締結日に応じて300~3,000万円までの金額が非課税となる制度や、不動産取得税や登録免許税の軽減措置も旧耐震基準の物件では利用することができません。

旧耐震基準で建築された建物の価格は当然安くなりますが、取得する際は活用できる制度が制限されることに気を付ける必要があります。また、不安な人は新耐震基準の中古物件を選ぶのが無難といえるでしょう。

水回りについて

キッチンやトイレ、浴室、洗面所といった場所は入居者のこだわりも強く、リノベーションすることで暮らしやすさが大きく変わってくるポイントです。

ただし、水回りは配管の位置や換気ルートの確保などが必要となるため、自由に移動することができない場合があります。また、水回りのリノベーションかかる費用も大きくなりがちで、だいたいの相場は以下の通りとなっています。

  • 洗面化粧台の交換……5~10万円
  • 浴室……50~200万円
  • キッチン……20~200万円
  • トイレ……2~40万円

単純なリフォームであれば費用はある程度抑えられますが、グレードの良い素材や性能、こだわりのあるリノベーションにはどうしても大きなコストがかかり、特にキッチンや浴室は金額の幅が大きくなっています。

ポイントとして、水回りは複数人で使うスペースでもあるため、混雑しないような配置を心がける必要があります。また、歳を取った後に手すりをつける必要性などを考えると、スペースを広めに確保しておき、設備はカタログだけではなく、実際にモデルに触れて確認すると間違いは少ないといえます。

リノベーションを賢く利用しよう

リノベーションを利用すると、満足な住宅を安価に取得することができるため非常にメリットは大きいですが、リスクについてもよく確認しておく必要があります。リノベーションのために中古物件を購入する場合は、希望通りの空間を作るために支障など無いか事前に確認し、保存状態や耐震性についても十分に考慮した上で、購入することをおすすめします。

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