家賃相場や空室率など大阪と東京の不動産投資徹底比較
不動産投資用の物件は都市部に購入するのがセオリーとなっていますが、東京と大阪では、どちらが不動産投資に有利なのでしょうか?ここでは東京と大阪で不動産投資に向いている物件の違いや、大阪で不動産投資を行うメリット、民泊用に不動産を購入する場合の注意点などについて解説していきます。
大阪と東京の不動産投資の違い
現在、東京都では渋谷、大阪府では梅田で大規模な都市開発が行われています。都市開発によって街が変わり、人の流れや街に対するニーズが大きく変わってくるということは、不動産投資を行う上で無視できない要素になります。
このように都市開発が行われていく東京都と大阪府の中から、渋谷と梅田にスポットを当て、今後不動産投資を行うにあたって狙うべき物件について考えてみましょう。
東京都の都市開発は2020年に行われる東京オリンピックが大きな要因の一つになっています。そこで羽田空港や成田空港の機能の強化、首都圏三環状道路や鉄道などのインフラ強化、それ以外にも大手町・丸の内エリア、日本橋・八重洲・銀座エリアなど東京都の多くの場所で都市開発が進められます。
これらは前述したように東京オリンピックに向けた要素も大きいのですが、オリンピック終了後の東京という都市の在り方、さらには日本の発展を見越した開発計画でもあります。
今後少子高齢化が進む一方で、グローバル化がさらに進む日本が、強い国際競争力を持つための開発計画でもあります。そのようなオリンピック以外の要素を考えると、大阪で都市開発が進むことも当然の話であるといえます。
東京と大阪で都市開発が行われていますが、その方向性は大きく異なります。東京の渋谷では複合商業施設のオープンや東急東横線が地下化するなど徐々にその街の姿を変えてきています。
渋谷の開発は50年又は100年に一度ともいわれる大規模なもので、今後さらに大きな変貌を遂げることが予測されます。すでに渋谷は日本文化を海外に発信する街ではありますが、今後多くの商業施設やホテル、オフィスができることによってその機能がますます発展していくでしょう。
大阪の梅田においては梅田駅の北側を中心に発展しています。すでに「うめきた1期」呼ばれる都市開発が行われており、この都市開発によってグランドフロント大阪が誕生し、周辺の人の流れが大きく変わりました。
今後、「うめきた2期」の開発が行われますが、そのキーワードは「ライフデザイン」となっています。超少子高齢化社会が迫っている今の日本においては、健康や医療産業の拡大、新製品や新サービスの拡充が必須であるといえます。
このことから「うめきた2期」の都市開発では、人々が豊かに暮らすことが出来る街づくりを目指しており、健康と医療分野の産業創出と公園など緑が共存する街づくりが行われます。
このように、東京と大阪の都市開発には大きな違いがあります。では、不動産投資を行う際に東京と大阪ではどのような物件に投資を行うべきなのでしょうか?
東京の渋谷には、今度流行に敏感な一人暮らしの若者の流入が予測されます。ですので投資物件として有益になるのは単身者向けのワンルーム物件です。東京は今後とも人口の増加が見込まれることから、単身者向けのワンルーム物件のニーズはさらに高まると予想されます。
一方、大阪の梅田に関していえば、医療・健康の分野が充実した生活しやすい街づくりを目指しているため、ファミリー向けの物件のニーズが高まります。ファミリー向け物件を投資用に購入する際には、駅までの近さなど利便性を第一に考える必要はありません。
それよりも周辺の治安の良さや教育環境の充実といった要素が物件を選ぶうえで重要になってきます。大阪の特に梅田周辺に投資用物件を購入する際には、上記のような要素をメインに物件を選ぶべきです。
大阪で不動産投資をするメリット
大阪で不動産投資を行う際に、一番の魅力となるのは物件の価格です。2020年の東京オリンピックに向けて不動産の価格が高騰している東京に比べると、圧倒的に手ごろな値段で投資用物件を購入することが可能です。
同じような条件のワンルームマンションの価格を東京と大阪で比べてみると、東京では1室3,500万円を下ることはまずありませんが、大阪では2,000万円を切る価格で購入することも不可能ではありません。
もちろんその分東京ほど高い賃料を設定することはできませんが、物件価格が東京に比べて安価であるため、借入金額も少なくて済み、家賃収入から月々の返済額を差し引いても利益を出すことが可能です。
また、不動産投資には空室リスクがつきものですが、このリスクを分散するために複数の投資用物件を所有することが不動産投資においては重要になってきます。この点においても物件の価格が安い大阪であれば、物件の買い増しが行いやすいというメリットがあります。
また、現在の東京では東京オリンピックの影響を受けて不動産の価格が上昇していますが、東京オリンピックの後に値崩れしないとは限りません。その点大阪は不動産市場が大きく変動するような要素が少ないため、安定した不動産経営を行うことが可能です。
大阪で不動産投資を行うことについては、それ以外にもメリットがあります。それは大阪という都市の将来性です。将来東京、名古屋、大阪を結ぶリニア中央新幹線が開通する計画があります。このリニア中央新幹線により東京ー大阪間を1時間で移動することが出来るようになります。
リニア中央新幹線により日本を代表する3大主要都市が一つの大都市圏となることで、大阪はますます発展していくことが考えられます。リニア中央新幹線の全線開業は2045年に予定されていますが、不動産投資家はこの大阪の動きを見逃してはなりません。
都市開発や民泊など比較をする際のポイント
民泊とは、戸建て住宅や集合住宅の空室を旅行者などに宿泊目的として有料で貸し出すサービスのことです。このシステムは不動産投資用物件の空室リスク対策としても有効な方法ですが、空室をそのまま民泊とすることは難しく、室内の家具や調度品を整えたり、宿泊者が出て行った後に室内を片付けるなどの手間も必要になります。
また、民泊新法に則った運営や、そのための申請など、細かな雑事も必要になるため、空室リスク対策として民泊を経営する不動産投資用物件のオーナーは少ないのが現状です。しかし、中には民泊経営のために不動産を購入する不動産投資家が存在することも事実です。
民泊は外国人旅行者、いわゆるインバウンドに需要が高いため、一時急激に増加しましたが、2018年にはその規模が縮小しています。その理由は申請手続きの煩雑さや営業日数の上限による採算性の低下などです。
これらの理由により民泊の営業から撤退する個人事業者が増えているため、2018年には前年に比べて33.5%も減少しています。しかし、この規模の縮小は一時的な物と考えられています。
その理由は今後東京オリンピックに向けて民泊営業業務の受託サービスやワンストップ物件管理サービスなど、物件のオーナーをサポートする事業が充実してくることが予想されるためです。
また、異業種企業の民泊経営などへの参入により、2019年には市場が回復に向かうとみられています。この民泊企業に参入するために投資用物件を購入するならば、やはり大阪より東京の物件のほうが有利であるといえるでしょう。
その理由は大阪の都市開発が「暮らしやすさ」のためのものであるのに対し、東京の都市開発は「情報の発信」といった観光客に魅力があるものだからです。民泊経営のために投資用不動産物件を購入する際には、その都市の将来のビジョンに目を向けることが重要です。
まとめ
ここまで、不動産投資における東京と大阪の違いを東京は渋谷、大阪は梅田を例にとって解説してきました。東京オリンピック沸いている東京のほうが不動産投資を行う上でメリットが多いと思われがちですが、大阪にも独自のメリットがあることがお判りいただけたと思います。
また、一時低迷している民泊も、物件オーナーのサポート業務を行ってくれる業者の出現が予測されるため、ニーズの高まりとともに今後復活してくることが予測されます。
不動産投資用物件を選ぶ際には、ただ大都市を選べばよいというものではなく、その都市の将来を見据えた物件選びが大切です。