戸建てとマンションリノベーションの違い
既存の住宅を利用しながらも、自分のこだわりを住居づくりに反映させることができるのがリノベーションの魅力です。しかしながら、戸建てとマンションではリノベーションができる範囲や検討すべき事項が異なります。
リノベーションするために中古物件を購入するなら、まずは戸建てとマンションリノベーションの違いを知っておきましょう。
リノベーションのメリット
住宅の壊れている部分や、機能の低下した部分を修繕し、元の状態に戻すリフォームとは異なり、リノベーションは、全体あるいは部分的に、元の建物・設備よりも性能を高めること、または価値およびデザイン性などを高めることをいいます。
代表的なリノベーションに、間取りの変更があります。部屋数を変えたり、キッチンをオープンキッチンにしたりするなど、ライフスタイルに合わせてさまざまな変更ができるのがメリットです。
他にも、バリアフリーにしたり、エレベーターを取り付けたりするなど、家全体の機能も変えることができます。
自分や家族の希望を取り入れながら自由に住居づくりができるにもかかわらず、一般的に新築よりは費用が安いという面がリノベーションの最大メリットといえるかもしれません。
戸建てのリノベーション
住宅の構造階数を変更したり、建物の床面積を拡大したりするなど、建築基準法に触れる部分は役所の許可が必要になることがありますが、一般的には戸建てのリノベーションにはあまり制限がありません。
間取りの変更はもちろん、階段や窓の位置を変更したり、屋根裏を新しく部屋にしたりするというような大掛かりな工事も可能です。水回りはもちろん、電気回線も自由に触れられることから、コンセントやエアコン・暖房設備の増設も可能です。床をフローリングにするのにあわせ、床暖房を取り入れるリノベーションも人気です。
戸建ての場合、外装部分も変えられるのが特徴です。エントランスや玄関ドア、塀、外壁、屋根、庭へのアプローチなど、自分好みに外観をガラリと変えれば、新築のような雰囲気を味わえるかもしれません。
リノベーションの仕様によっては、外観を日本家屋スタイルから現代風スタイルに一新することも可能です。
一方で、制限が少ない分コストが上がる傾向にあります。リノベーションの内容にもよりますが、元々の構造によっては地盤や基礎を考慮しながら耐震工事が必要になる場合もあります。また、外壁、屋根、ベランダなどの外装をリノベーションする場合は防水や雨漏りなどのメンテナンスが必要になりますし、ウッドデッキは度重なるペンキの塗り替えや木材の取り換えが必要になることもあります。
戸建てのリノベーションでは、このようなランニングコストも考慮しておかなければなりません。
マンションのリノベーション
マンションでリノベーションできるのは専有部分だけに限られます。構造体はもちろん、玄関ドア、ベランダに出るサッシ部分からは共有部分となるため、基本的に触れることができません。
その他、窓、配管のシャフトなども共有部分とみなされるため、リノベーションの対象とはなりません。加えて、管理規約による工事の制限や、1戸あたりの電気の容量が決まっている場合があります。フローリングへの変更やコンセントの増設にも管理組合への確認が必要になってきます。
一方、コスト面では、工事の範囲や内容が制限されている分、戸建ての場合よりも低く抑えることができます。専用部分、つまり居住部分なら、間取りの変更やキッチン・バス・トイレなどの水周りのような大掛かりなリノベーションも可能です。また、集合住宅では切実な問題とされる防音・遮音機能を高めるためのリノベーションも可能です。
ただし、リノベーションの期間中は壁を取り壊したり、壁に穴を開けたりするなどの工事音は避けられません。向こう三軒両隣、上下階に対しての配慮を忘れないようにしましょう。
戸建てとマンションリノベーションの違い
戸建てとマンションリノベーションの違いといえば、自由度の違いが一番にあげられます。戸建てではマンションのように共有部分がありませんから、建物の全体を変えることが可能です。また、共有部分がないことは、施工のしやすさにもつながりますから、施工にかかる期間や施工費の違いにも影響が出るかもしれません。
リノベーションを考えた中古物件の購入を検討する場合は、これらの違いを総合的に考慮しながら、戸建てかマンションの選択をするようにしましょう。