香りで入居率がUP!空室対策に役立つアロマオイル活用法
内覧にきたお客様に気持ちよく見てもらうために、空室に芳香剤などの香りのするものを置く事は空室対策の王道中の王道の手法です。
香り一つで部屋の印象がよくもなるし、悪くもなるわけです。
最近は芳香剤に限らず、柔軟剤など、香りを売りにした商品が増えてきました。衣類の香りづけをするためだけの商品なども存在するほど、私たちの香りへの意識が高くなっていることがわかります。
科学的にも香りの効果が解明され、ビジネスに取り入れる企業も増えつつあります。
今回はその香りを活かした入居率UPの方法について考えてみたいと思います。
空室対策と香りの相性がいい理由とは?
空室対策手法のホームページ等を見てみると、【芳香剤を置きましょう】というアドバイスをよく見かけます。
人のいない部屋というのは、不快な臭いになりやすいからです。
その嫌な臭いを発生させる原因として挙げられるのは、時間の経過に伴う「ほこり臭」や「排水溝から込み上げてくる悪臭」、「通気性が悪いことによるカビの発生」、「虫や小動物の死骸や糞からの臭い」などがあります。
このような臭いを完全になくすことはできないので、それを軽減するために香るものを置くことおススメしているわけですね。
さらに、香り使うというのは簡単に実行することができ、1個の芳香剤で3ヶ月とか持ちますから、費用体効果も高いと言えるでしょう。
だから、多くのオーナーさんが実行している手法なのですね。
香りを使うときの注意点
折角お客様に気持ちよく内覧をしてもらうために、香りを使うのですから、逆効果にはしたくないところです。
香りと一口にいっても、その種類は多種多様です。
ローズやラベンダーといったお花系を始め、レモンやオレンジ、ライムといった柑橘系、ミントなどのハーブ系、ジンジャーなどのスパイシー系など沢山あります。
香りの選び方については後程説明しますので、ここでは使うときの注意点について触れたいと思います。
1. 雰囲気をぶち壊す見た目はNG!置き方に注意
例えば、芳香剤を購入して置いてみよう!とドラッグストアに行ったとき、どの芳香剤を手に取りますか?大きく「消臭」と記載された、ボトル型のものを選んでいませんか?ほかにもトイレ用として販売されているものを選んではいませんか?
はっきり言って、ラベルに「消臭」とか「トイレ用」と書かれているものは雰囲気ぶち壊しです。香りがよくても、お部屋が良くても、印象は最悪。選ぶのは絶対にやめましょう。
友達の家に行って、「トイレ用」とでかでかと書かれた芳香剤が部屋の真ん中に置いてあったら、やっぱり嫌な気持ちがしますよね?
しかし、意外とこの手の芳香剤を置いている物件は少なくありません。
容量の大きさで長持ちしそうとか、値段が安いやつがそれだったという理由もあるかと思いますが、後数百円だけ出して見た目の良いものを購入しましょう。
また、芳香剤が見えない様に置くのも工夫の一つです。例えば、造花後ろに見えないように隠して置けば、まるでお花からいい匂いがするように見せることができます。
他にも今はコンセントにさすタイプのスタイリッシュなものもあります。そういったものを使用するようにしましょう。
2. 「消臭」を意識するのではなく、「芳香」を意識する
香りを使うことに悪臭を消すという目的ももちろんありますが、それよりももっと大事な目的は「お部屋のイメージUPをすること」です。
香りづけをするときは「 どこからかいい香りのする部屋 」を演出することを意識しましょう。
香りが前に出すぎて、内覧の邪魔になってしまっては本末転倒なので、あくまで、部屋を演出する一つの手段をいうことを忘れはいけません。
3. 香りには好みがあるので、きつくなりすぎないように注意
あなたがいい香りと思っておいた香りももしかすると、お客様にとっては臭いと感じる香りである可能性もあります。これは好みの問題なので、万人が好きな香りというのはありえません。そのことをわかったうえで、嫌いな人が不快になりすぎない程度の香りを意識すると良いでしょう。
また、嗅覚が敏感な人もいれば鈍感な人もいるので、香りの強さには注意が必要です。
一か所だけ香りがキツイ!という事態を避けるために、香りは極力分散させるようにしましょう。部屋によって臭いを変える事もNGです。臭いが混ざって逆効果になる場合があります。
スメルハラスメントという言葉があるほど、香りに敏感な人は非常に敏感です。もし、自分は臭いに鈍感だな…と思われる方は嗅覚の鋭い家族や知人に一度確認してもらうのがいいでしょう。
芳香剤よりもオススメなのは100%自然由来のアロマオイル
部屋の香りづけをする場合、何を使いますか?一般的に用いられるのは芳香剤かと思います。しかし、市販の芳香剤だと形も香りも他の物件と被る可能性があります。
さらに、最近では化学物質に過敏な方も増えてきており、芳香剤などの作られた香りに対して嫌悪感を示す人も見かけるようになりました。
他にも生花を用いたりお香を焚いたりという手段もありますが、価格が高価になったり、処理が大変だったりします。
そんな時にオススメなのがアロマオイルです。
アロマオイルとエッセンシャルオイルの違いとは
アロマオイルにはいろいろな呼び方があるので、ここで補足説明をしておきます。
知っている方は読み飛ばしてもらっても結構です。
「100%自然由来のアロマオイル」とは厳密に言えば「エッセンシャルオイル」と呼ばれるものです。
エッセンシャルオイルとはいわゆる精油と呼ばれるもので、植物の花や葉、木部、果皮、樹皮、根、種子などから採取される天然のオイルを原料にして、100%天然のものを指します。
一方、アロマオイルとは合成の香りや化学香料を配合したりして、100%天然ではないものを指します。
100円ショップや雑貨店などで安く販売しているアロマオイルはほとんどこちらのアロマオイルです。
この記事ではエッセンシャルオイルという言葉に馴染みのない方もいると思うので、あえてアロマオイルと呼ばせていただきます。
100%天然由来のアロマオイルは作用や効能が期待できる
アロマの力は自然療法に使われているということをご存知ですか?
アロマセラピーとは「香り」に着目した療法で、安眠効果や沈静につながる高いリラックス効果、朝の快適な目覚めをサポートしてくれるリフレッシュ効果、健康や美容そ促進してくれる効果や自律神経を整えてくれる効果などが期待できます。
アロマテラピーの起源は古代までさかのぼるほど古く、自然から採取したアロマオイルを傷口に塗ったり、病気のときに焚いたりするなどして薬箱替わりとして使用していたそうです。
アロマオイルの種類によって効果効能があります。その効果効能を理解し、活かせば入居率UPに繋がる可能性があります。
ちなみに、化学成分の混じったアロマや芳香剤では自然由来のものと成分が異なりますので、近い香りでも同等の効果は期待できません。なので活用する場合は必ずラベルに「エッセンシャルオイル」もしくは「精油」と書かれたものを使用するようにしましょう。
香りと脳のメカニズム
なぜアロマオイルは医療に使えるほど効果効能を発揮するのでしょうか?科学的な観点に触れてみたいと思います。
五感の中で唯一嗅覚だけが、脳に対してダイレクトに作用する
2004年、嗅覚が脳に与える仕組みを解明したリチャード・アクセル氏(米国)とリンダ・バック氏がノーベル医学生理学賞を受賞しています。
彼らの研究によると、聴覚や視覚が大脳皮質と呼ばれる理論的思考をつかさどる部位を経由するのに対し、五感の中で唯一、嗅覚だけが、大脳辺縁系と呼ばれる本能をつかさどる部位に直接影響を与えることがわかりました。
つまり、香りは本能や無意識の活動に関わる部分に影響を与えるため、嘘をついたりごまかしたり、理性でコントロールしたりすることが非常に難しいのです。
そのため香りは無意識のうちに人の感情に影響を与えると言われているのです。
さらに、五感の中で嗅覚は最も記憶に残りやすい感覚といわれています。
ポップコーンの香りをかぐと、ディズニーランドや映画館を思い出す、友人がつけている香水を街角でかぐとその友人のことをふと思い出す…そんな経験はないでしょか?
これも嗅覚が本能の脳に直接作用することが原因なのです。
香りをビジネスに使った実例は沢山ある
例えば、1度は泊まってみたい憧れの高級ホテルの一つであるヒルトン。ヒルトン東京のロビーの香りは煎茶をモチーフにしたアロマを使用しているそうです。これは、どこかで煎茶の香りをかいだときに、ふとまたヒルトンに行きたくなるような効果が期待できるのだそうです。
煎茶は日本人であれば、かぐ機会は多いので、日常生活の中のいたるところにヒルトン思い出すスイッチがあるのと同じだと言えるでしょう。
他にも、カーディーラーやフィットネス、アパレル、アミューズメントなどにもオリジナルの香りを用いてブランディングを行っている事例は他業種にわたります。
海外のカジノの香りには「また行きたくなる香り」が混ぜられていて、その香りのレシピは非公開にされているほど香りに力を入れているそうです。
人気なアロマオイルの種類と効能 6選
ここまでアロマオイルが科学的に感情に影響を与え、記憶にも残りやすくなることをお伝えしてきました。
物件を内覧するお客様は他にもいくつか物件を見ているはずです。その中から選ばれるためにも、香りを賢くプラスして、より記憶に残りやすく、そしてより物件イメージをUPしていきましょう。
人気な6種類のアロマとその効能を紹介していきます。
ラベンダー
香りの特徴:
さわやかなフローラル系の香り。香りがはっきりしているので好き嫌いもはっきりわかれます。
効果効能:
ラベンダーは万能アロマと呼ばれるほど多岐にわたります。
リラックス効果や鎮痛作用、安眠効果などが期待できます。自律神経を整える効果あるので、忙しい女性にオススメです。
キャリアウーマンが入居するような女性向けの物件だと好まれやすいでしょう。
オレンジ
香りの特徴:
あなたが食べたことのあるオレンジ果実の柑橘系の香りです。万人に受け入れられやすく、お子様も楽しめる香りです。
効果効能:
沈んだ気分を明るくハッピーにしてくれる作用があります。血行を促進して冷えや老廃物の排出も促す効果もあるので、すっきりとした気持ちにしてくれます。
お子様のいる元気な家族向けの物件にオススメな香りですね。
レモン
香りの特徴:
甘酸っぱい印象的な香りのレモン。好きな人はかなり多く、馴染みやすい香りの一つです。
効果効能:
レモンは集中力や記憶力、理解力をアップさせてくれると言われています。物件説明をしっかりと聞いてほしい時にオススメかもしれません。
また、古代エジプトでは食中毒の解毒剤に使われるほど抗菌作用が高いので、冬場の風邪やインフルエンザ防止にもなると言われています。
イランイラン
香りの特徴:
エキゾチックで甘さのあるフローラル系の香りですが、男女問わずに好まれている香りです。
多くの香水にも使用されています。
効果効能:
緊張を解いてくれる作用があり、アドレナリンを押さえてくれる働きもあるため、リラックス効果も期待できます。女性のホルモン分泌を助けてくれる効果もあるので、心身ともに整えてくれる効果があります。
喧噪から離れた静かな物件にぴったりな香りですね。
ゼラニウム
香りの特徴:
バラのようなフローラル系の香りがします。それに加えてミントのような爽やかさもあるので、甘すぎないバランスの良い香りです。
効果効能:
ホルモン分泌を調整して、自律神経を安定させてくれます。女性特有の身体の不調も整えてくれます。利尿作用があるので、むくみにも効果を発揮します。
皮脂バランスを調整してうるおいを促したり、殺菌作用も期待できます。
ローズマリー
香りの特徴:
ハーブ料理に使われるローズマリー。清涼感のある、すっきりした香りです。特徴的で刺激的な香りなので、使用するときは薄めて使う方がよいかもしれません。
効果効能:
血行促進や頭をクリアにしてくれる働きがあります。
また、眠たい目をシャキッとしてくれる効果があるので、夕方ごろの内覧にはオススメかもしれません。
集中力を高めるだけではなく、肌のむくみやたるみの改善にも期待できます。
お客様はどのようなニーズでこの物件を内覧してくれていて、物件をどのように印象付けたいか、を意識して香りを選ぶことが大切です、
ここで紹介した以外にも沢山の香りがありますので、ぜひお店で試してみてください。
アロマオイルの使い方
使用するアロマも決まった、ということでどのようにして部屋を香りづけするかの方法についてお話していきます。
アロマディフューザーを使った方法
最も一般的なのが、アロマディフューザーを使って香りを部屋全体に拡散する方法です。
アロマディフューザーにも種類があり、加熱型、超音波型、ミスト型があります。値段も数千円~数万円までするものもあります。
個人的にオススメなのは超音波型です。加熱式は電球の熱で加熱するため火傷の恐れがあります。ミスト型は水を使用するので、倒したときなどの処理が大変です。超音波型は超音波の力で精油の微粒子を拡散させるタイプなので、余計な手間がかかりません。さらに、香りの拡散力が高いので、数もワンルームであれば1つで十分です。
店頭でアロマディフューザーが動いている様子を見たことがある人は知っているかと思いますが、ブーという振動音が響きます。
もし事前にお客様が来られるタイミングがわかっていたら、事前に焚いておき、内覧時は止めておくのが無難かもしれません。
アロマペンダントを使った方法
手軽にアロマを使用する方法として紹介したいのが、アロマペンダントを使った方法です。アロマペンダントという言葉自体を始めて聞いたという人も少なくないかもしれません。アロマペンダントとはペンダントの先に小さなボトルがついており、そこに数滴アロマを垂らして持ち歩くというものです。
電源も不要でトイレやお風呂場など場所を問わず使用できるので、大変便利な方法です。
ペンダントにアロマを数滴たらし、それを部屋の各所に置いておくだけでアロマがほんのり香る空間が出来上がります。
もっと簡単にアロマを拡散させる、マグカップを使った方法
上の二つは専用の装置が必要になってめんどくさい!と思った方にオススメな方法がマグカップを使った方法です。
マグカップに熱いお湯をいれ、その中に精油を1~2滴たらします。すると、湯気とともに香りが部屋に充満していきます。
お湯を触って火傷をしたり、うっかり飲んでしまわないように注意が必要です。
アロマオイルの注意点
様々な効果が期待できるアロマオイルですが、取り扱いを間違えてしまうと大変な事態にもなりかねません。最低限の使用方法は理解したうえで取り扱いましょう。
口には入れない
精油は一般的に食べたり飲んだりできないものです。
メーカーによっては精油の純度を高くし、体内に入れても問題がないことを証明して食物添加物として販売していることもあります。しかしこれはごく一部のメーカーに限られます。口に入れても問題がないという記載がない限り、絶対に口に入れてはいけません。
肌に付くと刺激の強すぎるものがある
アロマオイルは植物の成分を濃縮して作っているので、オイルの種類によっては刺激が強すぎるものがあります。購入の際は必ず、店員さんから説明を受けましょう。
また、アロマオイルが付着した部分がピリピリしてきたときは水で洗い流してはいけません。アロマオイルは油なので、水で流そうとすると逆に悪化する場合があります。
そのときはキャリアオイルと呼ばれる薄める専用のオイルで流すようにしましょう。
もしキャリアオイルが手元にない場合はサラダ油やオリーブオイルといった油を使用するようにしましょう。
光毒性をもつアロマがある
レモンやベルガモットといった一部のアロマは肌に付いた状態で紫外線に当たると、皮膚の組織を傷つけたり、シミとしてあざが残ったりする場合があります。
説明を受けない状態でむやみやたらと肌に付けるのは危険です。部屋の香りづけ以外に使用する場合は必ず、店員さんや専門家の話を聞いたうえで使用するようにしましょう。
アロマの衣類・タオルを乾燥機にかけると火災の原因になる
一時期話題になったので知っている人も多いかもしれませんが、アロマオイルが付着した衣類やタオルを乾燥機にかけてはいけません。
洗濯機で洗ったとしても、アロマオイルは油なので、完全に洗い流すことはできません。その状態で乾燥機にかけてしまうと、発火の原因になります。必ずアロマで使用した衣類やタオルは自然乾燥をさせるようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
販売している芳香剤を使用するよりアロマオイルを使用するほうが少し高価かもしれませんが、香りの質は全然変わりますし、何より他物件との差別化を図ることができます。
特に女性へのイメージUP効果は非常に大きいでしょう。
空室がますます多くなっていくと言われる現代において、アロマオイルの力を借りるという選択はいかがでしょか?
賢く活用して、入居率UPで空室知らずの物件を目指していきましょう。