リノベーションの費用対効果はいかに
リノベーションを行う際は、入居者やターゲット層に合わせて物件価値を高めていかなければなりません。例えば、女性入居者があまり見込めない地域や立地の物件において、セキュリティ機能を強化するリノベーションを行うことは費用対効果がいいとは言えず、利益にはつながりにくいでしょう。費用対効果を常に意識し、優先的にリノベーションするべきポイントを知っておきましょう。
費用対効果を意識するとはどういうことか
客付けのために中古物件にリノベーションを行うことは非常に効果的ですが、費用をかけすぎると結果的に利回りが低くなり、効率の良い運用から遠ざかってしまう可能性があります。
一般的に、不動産投資の経費率は15~20%が目安とされており、経費全体のどれくらいをリノベーション費用に充てるのかを意識しなければなりません。投資用物件のリノベーションでは、計画を進めるにつれて次第に費用が高額になりがちです。あらかじめ費用の上限を設定しておくことで、利回りの低下を防ぐことができるでしょう。
さらに、リノベーションとは入居者にとっての価値を高めるために行うものです。入居者からの人気が上がると当然物件としての価値も上がり、将来手放す際にも買い手がつきやすくなります。入居者の世代や性別に関わらず喜ばれるリノベーションを優先的に行い、ニーズが少ない機能の追加などは後回しにすることで、費用対効果が高い投資を実現することが可能となります。
また、物件がある地域の特徴を把握し、入居者のターゲットを明確にすることでも、費用対効果が高いリノベーションを計画することができます。物件の周辺を散策し、近くにある施設は学校なのか商業施設なのか、どのような種類・価格帯の店舗が多いのか、そして道行く人の特徴などについて調査することが大切と言えるでしょう。
効果的なリノベーションポイント
一般的に、費用対効果が高いリノベーションポイントは以下の通りです。
- モニター付きインターホン
- 洗浄機付き便座のトイレ
- 独立洗面台
- 照明
- エアコン
これらのポイントの特徴としては、入居者に共通して人気が高いことや、リノベーション費用が高すぎないことにあり、必然的に投資効率の上昇に貢献します。特に、モニター付きインターホンやトイレ設備、独立洗面台などは客付けに非常に効果があり、機能として追加するだけで入居者が集まりやすくなるとされています。
さらに、気温や湿度が高い地域ではエアコンが付いていないというだけで大きなマイナスポイントとなってしまいます。夏または冬に入居する場合に入居者が新しく購入すべき家電の出費が減るため、エアコンは必須となります。
古い物件の活用方法
費用対効果を高める方法として、古い物件は最新のリノベーションを施すのではなく、その古さをあえてアピールポイントとして活用するという手段があります。
例えば、古い物件はヴィンテージマンションとして活用することで、リノベーション費用を抑えた運用が期待されます。ヴィンテージマンションは築年数の経過による独特な雰囲気が魅力的であり、装飾などのデザイン性を考慮することで、築古物件とは思えない価値を出すことが可能です。
また、近年注目を浴びている外国人向けの宿泊施設として、古民家をコンセプトとした住宅にリノベーションする活用法も注目されています。古民家では、建物の古さがアピールポイントとして機能することが期待できるため、投資物件の活用としては非常に効率が良いと言えます。
特に、自然が豊かな田舎では、古い建物の味を活かしたリノベーションプランを立てることで、対費用効率が高い不動産投資を行うことができます。
効率を常に意識しよう
自身が住む住宅であれば妥協しないリノベーションを行いたいものですが、投資用物件の場合は、投資効率や利回りの高さにつながらなければ本末転倒と言えるでしょう。リノベーションの箇所によって対費用効率の高さは大きく異なるため、ニーズが集まりやすいポイントに優先的にコストをかける必要があります。
また、ヴィンテージマンションなどのコンセプトは利回りの高さにつながりやすいため、「最新」だけにとらわれずに意識しておきましょう。