不動産投資基礎：入るお金と出ていくお金
不動産投資には、不動産購入後に得ることができる「入るお金」と、維持・保管などのために必要となる「出ていくお金」があります。不動産投資は、短期的に売買することで資本を増やす投資方法ではなく、購入後にメンテナンスを重ね、時間をかけてコツコツと資産を増やしていくという性質をもった投資方法です。
不動産投資における、入るお金と出ていくお金を理解することで知識を深めていきましょう。
不動産投資における入るお金とは
不動産投資において得られる利益は、大きく分けて2つあります。
インカムゲイン
アパートやマンションなどの物件を購入し、入居者から得る家賃収入であり、不動産投資において基本的な収入源となります。例えば、全10室のマンションを購入した場合、10万円の家賃で満室であれば10万円×10件＝100万円が毎月の家賃収入となります。
キャピタルゲイン
不動産を購入後、購入した時よりも物件の価値が上がったタイミングで売却することにより、得られる収益のことです。例えば、3,000万円で不動産を購入後に4,000万円で売却できれば、1,000万円の収益
が得られます。
不動産価格の変動が大きかったバブル期は、不動産投資といえばキャピタルゲインに注目している人が多く存在しました。しかし、現在では不動産価値に大きな変動はさほど見られない場合が多く、インカムゲインを求めて不動産投資をする人が多いといえるでしょう。
不動産投資における出ていくお金とは
不動産投資において必要になる費用は、大きく分けて3つあります。
不動産購入にかかる諸経費
不動産を購入する際には、不動産そのものの費用以外にもさまざまな費用が発生します。諸経費として、売買契約書・金銭消費者貸借契約書の印紙代、登録免許税、不動産取得税、建物購入にかかる消費税、仲介手数料、司法書士費用（抵当権設定など）、火災保険料などが挙げられます。
不動産購入時にかかる費用は、不動産の本体価格だけではありません。購入時に払う必要経費を含めたうえで、不動産購入時に支払う額を計算しておきましょう。購入価格だけを想定していると、予想外の費用が膨らむ可能性が高いです。
建物の維持、管理費
不動産投資では、中長期に渡って不動産を保有するため、所有している間にさまざまな維持、管理費用が発生します。主なものとして、入居者募集の広告費用、建物管理費用（入居者窓口、更新、集金代行など）、建物維持費用（定期清掃・消防点検・光熱費、設備機器のメンテナンス費用など）、修繕・リフォーム費用、固定資産税・都市計画税などが挙げられます。
現在では、一昔前の「大家さん」のようにメンテナンスを自分でやるということは少ないようです。管理は委託することになるでしょう。そのため、ある程度の費用が必要になることを想定しておくことが必要です。
不動産売却時の費用
売却時に必要になるのは、売買契約書の印紙代、仲介手数料、司法書士費用（抵当権抹消など）、譲渡所得税などです。不動産購入時に比べると比較的多額ではないものの、費用やそれに付随する手続きが発生するということを覚えておきましょう。
融資を前提に始めることが多い？
不動産投資は、始める際に多額の資金が必要になります。不動産投資として主に挙げられるのは、マンションの区分所有購入、一棟購入です。なかには数百万から億単位という大きな金額となり、キャッシュで購入する人は決して多くありません。
別の不動産を売却した資金や、新しく受ける融資を資金として不動産投資を始めるパターンが多いです。居住する目的で借りるための住宅ローンがあるように、収益を目的とした不動産購入でもローンを組むことは可能です。
しかし、ある程度の金額を借りるには、自分自身の現在の年収・資産状況など、通常のローンを組む場合と同じように、金融機関の審査を通過する必要があります。それを念頭に置いておきましょう。
現実的にシミュレーションすることから始めてみよう
不動産投資は、他の投資と比較して、短期的に利益を得るというよりも中長期的に行うのが一般的です。また、1件当たりの金額が比較的大きいため、念入りにシミュレーションを行い、計画的に行っていくことが成功への近道です。
