ブログ

  • TOP
  • ブログ
  • 「不動産投資で節税を考えるなら理解しておきたい減価償却費」

「不動産投資で節税を考えるなら理解しておきたい減価償却費」

「不動産投資で節税を考えるなら理解しておきたい減価償却費」

不動産投資をする人にとって、節税のメリットになる減価償却費は重要ポイントです。

しかし、減価償却費のシステムをよくわかっていないと、節税できたはずのお金を税金として納めなければならなくなってしまいます。

上手に節税しながら不動産投資をするためには、どのようなことを注意しておくと良いのでしょうか。

◆減価償却費とは?

不動産投資における減価償却費とは、建物や設備の劣化・衰退に伴い価値が減ることから、償却資産として一定期間、税務上の費用処理をしていく代金のことです。

そもそも減価償却とは、高額の商品で長期間に渡って利用することが出来るものを、数十年に渡って少しずつ経費に計上していくものです。

減価償却費には、年月が経っても劣化しない土地は含まれません。

減価償却費は、建物や設備など種類によって処理年数が変わってきます。

建物の減価償却費は、構造別の法定耐用年数によって変わってきます。

建物の種類法定耐用年数
鉄筋コンクリート(RC鉄骨など)47年
重量鉄骨34年
軽量鉄骨27年
木造住宅22年

中でも国税庁のホームページでは詳しく耐用年数が決められています

構造・用途細目耐用年数
木造・合成樹脂造のもの事務所用のもの 店舗用・住宅用のもの 飲食店用のもの 旅館用・ホテル用・病院用・車庫用のもの 公衆浴場用のもの 工場用・倉庫用のもの(一般用)24 22 20 17 12 15
木骨モルタル造のもの事務所用のもの 店舗用・住宅用のもの 飲食店用のもの 旅館用・ホテル用・病院用・車庫用のもの 公衆浴場用のもの 工場用・倉庫用のもの(一般用)22 20 19 15 11 14
鉄骨鉄筋コンクリート造/ 鉄筋コンクリート造のもの事務所用のもの 住宅用のもの 飲食店用のもの ・延面積のうちに占める木造内装部分の ・面積が30%を超えるもの その他のもの 旅館用・ホテル用のもの ・延面積のうちに占める木造内装部分の ・面積が30%を超えるもの その他のもの 店舗用・病院用のもの 車庫用のもの 公衆浴場用のもの 工場用・倉庫用のもの(一般用)50 47     34 41     31 39 39 38 31 38

また、不動産投資の際、アパートにエアコンをつけたり、冷蔵庫を備品としてつけたりするケースもあると思います。

設備投資の分、減価償却として計上できるものもあります。

こちらも、項目によっての耐用年数で、減価償却出来る期間も変わってきます。

不動産の設備としての、耐用年数も細かく定められています。

構造・用途項目耐用年数
家具、電気機器、ガス機器、家庭用品(他に揚げ てあるものを除く)事務机、事務いす、キャビネット ・主として金属製のもの ・その他のもの 応接セット ・接客業用のもの ・その他のもの ベッド 児童用机、いす 陳列だな、陳列ケース ・冷凍機付・冷蔵機付のもの ・その他のもの その他の家具 ・接客業用のもの その他のもの ・主として金属製のもの その他のもの ラジオ、テレビジョン、テープレコーダーその他の音響機器 冷房用・暖房用機器 電気冷蔵庫、電気洗濯機その他これらに類する 電気・ガス機器 氷冷蔵庫、冷蔵ストッカー(電気式のものを除 く。) カーテン、座ぶとん、寝具、丹前その他これらに類する繊維製品 じゅうたんその他の床用敷物 ・小売業用・接客業用・放送用・レコード吹込 用・劇場用のもの ・その他のもの 室内装飾品 ・主として金属製のもの ・その他のもの 食事・ちゅう房用品 ・陶磁器製・ガラス製のもの ・その他のもの その他のもの ・主として金属製のもの ・その他のもの15 8       5 8 8 5     6 8     5   15 8       5 6       6   4   3     3 6             15     8   2   5   15   8
事務機器、通信 機器謄写機器、タイプライター ・孔版印刷・印書業用のもの ・その他のもの 電子計算機 ・パーソナルコンピュータ(サーバー用のものを除く。) ・その他のもの 複写機、計算機(電子計算機を除く。)、金銭登録 機、タイムレコーダーその他これらに類するもの その他の事務機器 テレタイプライター、ファクシミリ インターホーン、放送用設備 電話設備その他の通信機器 ・デジタル構内交換設備、デジタルボタン電話 設備 その他のもの3 5               4 5             5 5 5 6               6 10
時計、試験機器、 測定機器時計 度量衡器 試験・測定機器10 5 5
光学機器、写真 製作機器カメラ、映画撮影機、映写機、望遠鏡 引伸機、焼付機、乾燥機、顕微鏡5 8
看板・広告器具看板、ネオンサイン、気球 マネキン人形、模型 その他のもの ・主として金属製のもの ・その他のもの3 2     10   5
容器、金庫ボンベ ・溶接製のもの ・鍛造製のもの ・塩素用のもの ・その他のもの ドラムかん、コンテナーその他の容器 ・大型コンテナー(長さが6m以上のものに限る。) ・その他のもの ・金属製のもの ・その他のもの 金庫 ・手さげ金庫 ・その他のもの6   8     10     7   3 2   5 20
理容・美容機器5
国税庁ホームページより抜粋(https://www.keisan.nta.go.jp/survey/publish/34255/faq/34311/faq_34354.php

◆減価償却費と不動産投資による節税の関係

減価償却費は、税務処理の上では「必要経費」として計上されます。しかし、現金の支出はないのが特徴です。

通常は、起業している人が税務上の必要経費を生み出そうとすると、社員の給料をアップさせるなどの現金支出が伴いますが、減価償却費にはそう言ったリアルな現金支出は伴わないため、リアルな痛手はないのです。

しかも、10〜15年と長期間減価償却費として処理することが可能なので、節税対策としては減価償却費の計算は大きな鍵となるでしょう。

◆収益物件の減価償却費の計算方法

収益物件の減価償却費の計算方法は、建物や設備の耐用年数に応じて、償却率が決められているので、その際耐用年数から数字を割り出して調べていく方法をとります。

減価償却資産の償却率表 は以下国税庁のページに掲載されています。https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/070412/pdf/3.pdf

では実際に、建物の耐用年数と償却率表を参考にしながら、減価償却費用を計算して見ましょう。

例)新築物件で1,000万円のRC鉄骨の建物(耐用年数47年)の場合

1,000万円×0.022(償却率)=22万円

減価償却費は年間22万円ということになります。

次に、中古資産の減価償却費について見ていきましょう。

◆法定耐用年数の全部を経過した資産
建物の法定耐用年数の20%に相当する年数

◆法定耐用年数の一部を経過した資産
建物の法定耐用年数から経過した年数を差し引いた年数に経過年数の20%に相当する年数を加えた年数

上記の計算により算出した年数に、1年未満の端数が出る場合、端数は切り捨てます。年数が2年に満たない場合には2年と計上します。

中古資産の耐用年数計算式(法定耐用年数−築年数)+築年数×20%

となります。

国税庁ホームページ、中古資産の耐用年数より抜粋

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5404.htm

◎中古物件で購入した資産の場合

中古資産の場合、築年数がすでに法定耐用年数を超えている物件もあります。

その場合は、法定耐用年数×20%が中古物件の耐用年数となります。

・法定耐用年数を超えた中古物件の償却年数は、以下となります。

建物の種類減価償却年数
RC鉄骨9年
重量鉄骨6年
軽量鉄骨5年
木造住宅4年

上記の年数を参考にして、節税対策として減価償却がいつまで出来るのかということを頭に入れておくと良いでしょう。

実際に中古物件を買って不動産投資をすると、節税対策に役立ちます。

なぜなら築年数がすでに法定耐用年数を超えている物件の場合、木造住宅であれば4年間はしっかり減価償却が出来ます。しかも物件自体の価格が一定以上の金額であれば、税務上の計算では赤字として計上されますので大きく節税対策になるのです。

◎海外の不動産投資も視野に

減価償却費の対象となるのは、建物や設備に対してのみで、土地は対象外になると説明しましたが、日本の不動産価格の「建物:土地」の比率は「2:8」が平均値なのです。このことから、ほとんどが土地価格とも言えるのです。

しかし、海外の不動産価格は比率も違い、建物の価値が高くなります。

例えばアメリカの場合は「建物:土地」の比率は「7:3」が平均値と言われており、それだけ減価償却費を多く計上することも可能で、節税出来ることになります。

さらにアメリカでは、不動産取引の80%が中古物件で、法定耐用年数を過ぎた物件もたくさん中古市場に出ています。

いずれにせよ、不動産投資と減価償却費の計算はわかりにくい点も多々ありますので、海外の場合は特に税理士や専門家に相談しながらすることをおすすめします。

専門家に相談することで、顧問料などの費用は発生しますが、多大な情報を入手すること、タイミングを読んだ不動産投資が出来ること、安定した収益を得ることが可能になります。リスクと戦いながら1人で不動産投資をするより、メリットが大きいこともあるでしょう。

◆不動産投資の節税としての減価償却費についてまとめ

不動産投資において、減価償却費をしっかり理解しておくことは、節税対策になります。

減価償却費は、実際にはお金が発生していなくても、毎年経費として計上することが出来るので、しっかり理解して取りこぼしのないようにしておきましょう。

特に中古物件を購入して不動産投資をすると、節税対策になるということも理解しておきましょう。

おすすめ記事

空き家増加時代に注目すべき投資手法とは

空き家増加時代に注目すべき投資手法とは

不動産投資で家賃収入を高めるために「管理」でどう工夫すべきか

不動産投資で家賃収入を高めるために「管理」でどう工夫すべきか

住む物件と投資用として貸す物件はどう違うのか?

住む物件と投資用として貸す物件はどう違うのか?

不動産投資基礎:入るお金と出ていくお金

不動産投資基礎:入るお金と出ていくお金

不動産投資基礎:不動産投資のリスクって?

不動産投資基礎:不動産投資のリスクって?

不動産投資でマンション経営を始めるには資格が必要?不必要?

不動産投資でマンション経営を始めるには資格が必要?不必要?

不動産投資でワンルームマンションを選ぶと失敗する?

不動産投資でワンルームマンションを選ぶと失敗する?

副業禁止でも問題なし!不動産投資が会社員におすすめ理由は?

副業禁止でも問題なし!不動産投資が会社員におすすめ理由は?

団地リノベーションの注意点

団地リノベーションの注意点

リノベーションの費用対効果はいかに

リノベーションの費用対効果はいかに

築35年以上はリノベも危険?物件以外に見ておきたいポイントとは

築35年以上はリノベも危険?物件以外に見ておきたいポイントとは

戸建住宅のリノベーション投資の魅力とデメリットとは

戸建住宅のリノベーション投資の魅力とデメリットとは

欧米では当たり前!リノベーションで物件価値が上がる

欧米では当たり前!リノベーションで物件価値が上がる